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「コンテンツ改め」のお知らせ

2008/04/06 12:19

 

 長らく担当させてもらった通信・ICT分野から担当部署が変わり、内勤となりました。これまでは取材過程で紙面に書ききれなかったことを中心に綴ってきましたが、それがますます叶わない状況になりつつあります。
 ということで、自分の情報整理の意味も兼ねて、次週の経済分野の予定を整理するというコンテンツに変更します。
 これまでお付き合いいただいた方々に感謝致します。なお、予定などにつきましては、自社調査に加え、共同通信社や時事通信社配信の予定を参考にいたします。

7日(月) NYタイムズスト解決で・・・
政府が日銀総裁人事案を提示
2月の景気動向指数(速報)
流通決算


8日(火) 
花祭り
金融政策決定会合
経済財政諮問会議
3月の景気ウォッチャー調査


9日(水)

日銀定例記者会見
4月の日銀金融経済月報
福田-小沢党首討論


10日(木) 
ビートルズ解散(1970)
2月の機械受注
2月の国際収支
3月のマネーサプライ
2月の米貿易収支
3月の米財政収支


11日(金)

3月の企業物価指数
G7開幕(ワシントン)


12日(土)
G7閉幕


13日(日)
 生保不払い調査発表(2007)


■ 日銀総裁関連(7~9日)

 政府は7日に白川方明副総裁(58)を総裁に昇格させる人事案を国会提出する予定で、これはすんなりと通りそう。副総裁には前財務省財務官の渡辺博史国際金融情報センター顧問(58)を提示するが、これは民主党が難色を示す可能性もあるということだ。これで、11日から開催されるG7には正規の中央銀行総裁が出席できることになり、体面という観点からは危機回避か。

 白川氏に関して話題になっているのは小倉高校人脈。NHK会長の福地茂雄氏、 明治安田生命社長の松尾憲治氏、アサヒビール元会長の村井勉氏、九州電力相談役の鎌田迪貞氏、電通元社長の吉田秀雄氏らを輩出しており、松尾社長とは同級生。高校時代から成績は抜群だったらしい。

 しかし、日銀総裁人事、ガソリンの一時的値下げと民主党の存在感は高まっているが、日本経済の国際的地位は低下傾向にあり、ガソリンスタンドの行列もない(トイレットペーパー時代に比べて日本人は成熟したのではないか)など、メディアが大騒ぎするわりには、国民生活への直接的な影響は小さい。
 私個人では、民主党は「建設的ではない野党」というイメージが固まりつつある。党首討論で建設的な意見が出ないようであれば、与野党どちらの支持率も落ちるのではないか。


■ 経済指標(7~11日)

 7日の景気動向指数は現状を示す一致指数が2ヶ月連続で50%を割り込む見通しで、景気は下降中。原料高に直撃されて日銀短観も悪く、設備投資は低水準。2月の完全失業率も3.9%と5ヶ月ぶりに悪化するなど生産-所得-支出の悪循環が始まっている。8日には信用調査会社の倒産件数も発表される予定で、暗くなる数字が続きそうだ。

 こうした中で8、9日の日銀の政策決定会合では、これまで「拡大」傾向と判断を維持するかどうかが焦点とか。すでに政府では「踊り場」判断を下しているが、米国がリセッションの可能性を隠さなくなっている現状で、本当に新興国の内需が米国の減速をカバーできる力を維持できるのかどうか。輸出に依存して景気拡大してきた日本経済がへたれないのかどうか。説得力のある景気判断を望む。


■ G7(11~12日)

 そして注目は週末のG7米国経済、新興国経済の行方の予測に注目したい。一人負けとなっているドルはいつ回復するのか。年度後半から回復するのか。それとも、全治3~5年というシリアスな状況に突入するのか。日本の金融当局の動きと比べて、米国のそれは素早く、大胆で、信用収縮はやや落ち着きを取り戻しているようだが、市場の混乱はまだ続いている。「大統領も代わるし、家電製品のようなものに限れば、米国の個人消費の低迷は外から見ているほどではない」と楽観視する大手家電メーカーのトップもいるが、米国経済が右肩上がりになるのか否かを見極めたい。


■ *民間の予定は資料が手元にないので週明けに


■ NYタイムズ

  1963年にニューヨークの新聞ストライキが解決した最初の日曜日。114日のストを行っていたNYタイムズがスト期間中の情報を掲載した新聞を配ったが、そのページ数は702ページ。重さにして33キログラムあったという話。いまならネット配信となるのかどうか。携帯電話では受けきれないぞ。(共同通信社の「ニュース予定」より)

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電通の「日本の広告費」 今年もシリアスな内容

2008/02/20 19:43

 

 電通の「日本の広告費」が発表された。既存メディアの衰退の象徴を示す代表的な調査であるため、ここ2~3年は大きく注目されている。今年はネット広告の制作費を加味したことで「インターネット広告費」が大きく膨らんだが、20数パーセントを超す急成長で、“マスコミ4媒体”のうち、ラジオが2004年に抜かれ、雑誌も2006年に抜かれていたことがわかった。今後も同様の成長が続くとすれば、新聞が2009年、テレビも2012年~2015年のうちにネット広告に抜かれる公算が強い。恐らく、新聞が抜かれる事態は現実のものとなるだろう。

 

■時間との競争


 会見で、「新聞社各社もネット事業をやっているので、新聞広告が減少したからといって、単純に経営が苦しくなったわけではないですね」と質問した記者がいたが、残念ながら希望的観測だ。

 広告減収分をネット収入で補えている新聞社は、おそらく、ない。

 もちろん、各メディアともインターネットに注力しているためネット部門での売上高は上がっている。しかし、現状の社員を現状の待遇で養っていくだけのパワーを持つまでには至らない。減収分は手持ち資産で補うか、コストカットで臨むか、新たな収益源を見つけるか-各社頭を悩ましているだろうが、既存メディアの大半は数年のうちに大幅な事業構造の見直しを迫られることになる。時間との競争だ。しかも、ネットがそれまでに収益源に育つと見込んでいる社が多いようだが、簡単なことではない。

 

 

 上の図が電通がまとめた2007年の実績。ブルーの編みかけ部分は、今年の伸び率を単純にかけ合わせたもので、広告市場全体の伸び率からみてもネット広告の伸びは当然、鈍化するだろう。

 

■底打ち感はでるのか

 2007年前半は前年のトリノ冬季五輪やワールドカップによる高い伸びの影響が表れて低迷したが、年後半は参院選や世界陸上、モーターショー、不祥事広告などで広告出稿量が持ち直した。この結果、2007年の総広告費は前年比1.1%増の7兆円191億円となった。

 しかし、媒体別でみると明暗がついており、新聞が▲5.2%、ラジオが▲4.2%、雑誌が▲4%、テレビが▲0.9%とマスコミ4媒体はいずれもマイナスとなった。テレビに関しては10.8%増だった衛星メディア(BS)を合算すると1.4%増とかろうじてプラスになった。

 “勝ち組”はネット(24.4%増)、屋外・交通・DMなどのプロモーション広告(1.9%増)。

 

 2008年の見通しだが、電通では、米景気減速の影響はあるものの、日本経済は穏やかな回復が続くとみている。北京オリンピック、洞爺湖サミットを契機とした環境意識の高まりなどがプラス要因。このため、総広告費は1.7%増の7兆1354億円。このうち、マスコミ4媒体は▲0.8%で、それ以外はSP広告やネット広告の伸長が寄与して4.2%増となると予測している。

 

■新聞、ラジオは27年前の水準に

 この傾向は続き、マスコミ4媒体の広告収入も当面は減少が続くだろう。問題はどの程度で底打ち感が出るかだ。

 新聞の広告減収は年率5%程度だが、このペースでいくと2015年には、雑誌は11年前の1997年、テレビ(単体)が12年前の1996年、ラジオと新聞は27年前の1981年の水準になる。

 当然、体力のある大手メディアは別として、人に手をつけざるを得ないメディアが早晩出てくる。

 そうなった場合、情報の質の低下は起きるのだろうか? それともCGMが普及したネット時代、情報の質は維持されるのだろうか?

 

■衰退するサンノゼマーキュリー

 米国の新聞界では、すでに人員整理の嵐が吹きまくっている。

 私がシリコンバレーにいたころに、「サンノゼマーキュリー」という新聞が脚光を浴びていた。ハイテク業界の記事に特徴があり、朝日新聞、読売新聞が次々と提携した。(日経BPもかな)。まさに全盛の感があった。

 それが、親会社のナイトリッダーが買収され、マーキュリーニュースはさらに売りに出されてしまう。日本に先駆けて米新聞では広告収入の減少が始まっており、マーキュリーニュースもリストラで多くの記者が姿を消していった。当然、質の低下は著しく、現在の同紙にかつての輝きはない。

 

 もちろん、リストラされた記者の活動の場所はほかにもあるし、ブログのような新たな媒体も浸透したため、書く場所はとりあえずはある。プロの記者でないαブロガーのような優れた書き手やインサイダー情報の提供者もいる。情報は十分なのかもしれない。プロの書き手などなくてもWikipediaができてしまうのがいい事例だ。

 

 それでも、マーキュリーニュースにかつてならば載っていたはずの記事が載らない状況になっている。

 先月、梅田望夫さんがおしゃっていたが、「紙媒体は減るかもしれないがなくならない。しかし、ニュースの担い手はこれまでのような待遇は得られないし、忙しくなる。ネット時代は忙しくなる」と。

 いまでも記者は十分に長時間労働だ。しかし、これからはコストカットと効率化が避けられないということだろう。既存メディア受難の時代が日本にも訪れようとしている。

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本日も紙面は餃子一色、だが…

2008/02/02 22:54

 

 ■IT関連記事はお呼びでない


 担当外なので当然、紙面化はできないが、一昨年来、気になっているのが食糧問題だ。


 政府が政府会社に売り渡す小麦価格が、4月から30%程度引き上げられる。週明けにも発表されるそうで、主食であるパン類や麺類の値段が再度上がることは避けられそうもない。昨年、50%値上げという観測もあったが、今回は回避された。


 一方、本日も各新聞紙面は中国の冷凍食品中毒問題一色。通信や
ITの記事ははじき出されてしまった。


 さて、「中国製品、中国農水産物が全部だめ」というトーンの記事も散見されるが、原因を究明して対策を取ったら感情的に騒がないことだと思う。「中国からの食料輸入なし」でやっていけるはずもないからで、この辺り、原発問題にも似ている。

 

■小麦高騰は定着か


 しかし、異常気象が引き金になり、昨年あたりから食糧に関する記事が増えている。

 
 小麦価格は昨年4月に1.3%、10月に10%引き上げられたばかり。それに合わせて山崎製パンが昨年12月に食パン価格を実に24年ぶりに引き上げ、日清食品もカップヌードルを今年1月に17年ぶりに値上げした。食品会社の知人が、「たまにはいいでしょう」と苦笑していたが、醤油、ビールなどじわじわと値上げが広がっている。


 小麦相場の高騰は、豪州の干ばつによる不作など地球規模での気候変動、新興国の経済発展に伴う食糧需要の増大、バイオ燃料の利用による転作や穀物需要の急増、原油高による海上輸送コストの上昇、ファンドマネーの流入などの複合要因によるものだ。

 
 豪州の干ばつは改善するかもしれないし、原油高やファンド問題は解決するかもしれない。しかし、気候変動に起因するものや新興国の経済成長によるものについては、簡単に解は見いだせないだろう。となれば、小麦価格の高止まり傾向は続く可能性が高い。

 
 何せ日本の小麦の自給率は14%。パン用に至っては1%未満だそうで、3割も輸入小麦の引き渡し価格引き上げられれば、消費者に転嫁せざるをえない。

 
 しかし、日本は豊かだ。単品価格が何十円か上がっても、電気代が月額150円上がっても「高いよなあ」とぼやくだけですんでいる。

 

 トラフグが高い理由は


 これもニッチ商品なのだろう。あまり話題になっていないのがトラフグだ。これまでシーズンに2~3回は食卓に上っていたが、スーパーマーケットなどでの鍋物用の切り身の店頭価格が3~5割位上がっており、鍋物用のトラフグパック3600円では手を出しづらくなっている。今冬はショウサイフグ釣りにも行っていないので、フグ鍋は我が家の食卓にはまだ上っていない。

 
 トラフグの価格上昇も中国産が姿を消したせいだという。むろん全ての輸入をやめたわけではなく、輸入量が3割減っただけだそうだが、国産養殖物が取って代わったためにこの価格上昇につながったそうだ。

 
 そういえば、マツタケもウナギも昨年、国際関係のあおりを受けて値段が上がった。パワフルな商社が頑張っているので、高くなっても店頭から食材が消えることはなく、豊かな日本人の食生活はなんだかんだいいつつもそれほどは変わらない。だから、それほど大きな問題にはなっていない。

 

 ■クライシスは一挙に


 しかし、サブプライム問題もそうだったが、危機はある一線を越えると雪崩を打って襲ってくる。1993年の冷夏で起きた平成のコメ騒動ではその一端をかいま見た。埼玉の純米酒しか造っていない酒蔵がその年の仕込みをやめ、センベイ組合の専務理事は危急存亡を叫んでいた。翌年が豊作だったことで危機的状況には陥らなかったが、何年か続けば企業倒産が急増し、家計を圧迫し、食卓も貧しくなっていただろう。

 
 今後も何がきっかけで店頭から食材が消えるかは分からない。しかも、長期間。異常気象、経済・国際問題など原因はいろいろとある。先進国の中でも食糧自給率がダントツに低い日本は、やはり危ういという気がする。

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「百度」が音楽ファイル検索をやらない理由は

2008/01/24 20:53

 

中国検索エンジン最大手、百度のロビン・リー最高経営責任者(CEO)に、経済部の黒川信雄記者がインタビューしてきました。彼はブログを開設しておらず、やりとりをテープ起こししてくれましたので、ゲストブロガーということで掲載させていただきたいと思います。

「百度」の中国サイトを見せてもらいましたが、確かに違法コピーと思われるファイルがずらりと並んでおり、あのまま日本でサービスを展開した場合は問題になる可能性が極めて濃厚と感じました。

知的所有権については各国で意識の差がありますが、違法ソフトを完全に排除する技術はまだ確立されておらず、ボーダレスのインターネットでは課題山積です。

 


■日本の次は未定


――昨日、日本でサービスを開始した感想は

「いいスタートを切れた。マスコミの注目度が高かった。朝起きて日本語版サイトをみたら、アクセスがこれまでの4倍になっていた」


 ――昨夜はあまり眠れなかったのでは

「とても疲れたので、よく眠れた」


 ――中国語版に次ぐ二カ国語目のサービスを、英語版ではなく日本語版にした理由は

「日本は中国に地理的に近く、日本のスタッフが北京に出張するのも米国などと比べ容易だ。世界中で先行している検索エンジンは、いずれも米国企業によるもので英語をベースにしている。だから、英語ではない言語でサービスを開始するべきではないかと考えた」


 ――日本語の次に開始する言語は。韓国語などは

「当面は中国語以外の言語としては日本語が重要だ。ただ長期的には拡張したい」


 ――例えばどのような国

「まだ決まっていない」


 ――日本では上場を期待する声もある

「オプションとしては考えはある。ただまずは日本のユーザーに対し適切なサービスを提供し、収益を上げていきたい」


 ――携帯電話向けサービスでは、いくつかの企業との協議を行っているという話があった。しかしドコモはグーグル、KDDI(au)もグーグルソフトバンクモバイルもヤフーという提携関係ができている

「日本には3~4社の大手携帯電話事業者がある。しかし検索エンジンは2つ。そこにミスマッチがある。そこにわれわれのチャンスがある。よりよい、魅力的なサービスを提供することでシェアを獲得したい」


 ――提携交渉で一番重視しているポイントは

「状況による。どのような提携条件を得られるかが重要だ。われわれは、優れたサービスを提供することが大事だ」


 ――条件とは

「多くのポイントがあるだろう。例えば、われわれのブランドがどのように扱われるのか。また経済効果、プロモーション、販売体制などがあると思う」

 

■音楽ファイル検索をやらない理由


 ――日本語版サービスでは音楽ファイル検索を見送った。理由は

「日本市場を調査し、どのようなサービスを提供するかを検討した。その結果、日本で一番必要とされるのが、ウェブ、画像、動画、ブログ検索だと判断した」


 ――昨日の会見での質疑応答で、音楽検索を行わないのは法律的な問題があるとの解答があったが、特にどのような点を指しているのか

(昨日その回答をした他の取締役より)「私が話した方が良いでしょうか」


 ――リーCEOの発言として使用してよいのならかまいません

(リーCEO)「質問の内容が具体的にわかっていないのですが」

**通訳が説明**


 (リーCEO)「そもそも、MP3の検索サービスを導入するのかも決定していない。日本の法体制の状況により決めることになるだろう。また、市場の需要に応えるというのも要因のひとつになる」


 ――どのような法的問題があるか、という点について話して欲しいのだが

「すでに話したように、MP3のサービスを導入するとも、しないともいっていない。MP3のサービスを将来的に提供するかは、日本の法体系をみながら、デジタル音楽に関わるものとか、知財関連のものとか、もう一つの要因が、日本の消費者がそれを必要としているのか、という点だ」


 ――それでは、法的問題があるからこのサービスを日本ではやらないという(昨日の会見にあった)回答とは矛盾するのではないか

「矛盾があるとは思わないが」


――法的問題があるから、サービスをスタートしないわけですよね

「MP3サービスはやるとも、やらないとも決めていない。それは、日本の法律、また市場の需要にものだ。それは、(会見で昨日他の取締役が話したことと)矛盾していることとは思わない」

――中国では(各国のレコード会社が起こした)訴訟に勝訴している。日本でスタートすればよいのでは

「何度も言ったように、日本の法律と需要次第だ」


――この問題について、日本と中国の政府の理解は違うと感じるか

「私は法律家でも弁護士でもないからわからない。日本での方針は、法律コンサルタントの方々にどこが違うのかというアドバイスに沿っているだけであって、私から言えるのは日本の法律に抵触しないように、市場の需要があれば、ということだけだ」


――もし法律的に問題がなくなって、需要があれば、いつサービスを開始したい

「市場調査の結果も出てないので、結論は出せない」

 

■「違法ファイルの掲載は問題」「どうやって違法と分かる?」


――MP3の検索においては、中国本社のサイトから、日本語での検索が事実上可能になっている。この状況についてどう思う

「何か問題があったということか」


――いや違う。実に簡単に日本の有名な女性歌手の音楽ファイルが見つかった。それも十分な音質で。これは、日本では法的問題があるからサービスを開始しないという状況と、ダブルスタンダードを御社が取っているといえないか

「百度本社は、拠点が中国にある。だから中国の法律を守ればよい」


――日本語版サイトのトップページに、違法な動画ファイルが多数掲示されている。これは問題ではないか。動画検索サービスはヤフーでも行っているが

「どうやってそれらが違法とわかる」


――クリックしてみればわかる。TVの番組だったり、有名な歌手の音楽ビデオだったりだ

「それを配信している会社がそれらのライセンスを持っていないということはどうやってわかるのか」


――明確なところはわからないが、現在テレビ放送している番組が野放しで動画にアップされるのは基本的に違法行為で、日本では業界団体がユーチューブグーグルに抗議しているという状況がある。昨日の会見で、そのような違法コンテンツが表示されない、つまりユーザーの報告を受け削除するというのではない、システムを開発をしていると聞いた。いつやるのか

「正直言ってわからない。もちろん段階的なプロセスなので、ステップバイステップでやるしかない。完璧なソリューションというのはないだろう。100%不法なリンクをなくすことは、確約できないけども、でも私たちがコンテンツを制作しているわけでなく、検索エンジンを提供する側としてはできる限り知財権を尊重したいと思う」

――そういうシステムを開発しているのは間違いないのか

「そうだ」

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「目的は株価向上」 イー・アクセス千本CEOに聞く

2008/01/17 21:33

 

 アッカ・ネットワークスの筆頭株主のイー・アクセスが16日、木村正治社長の退任などを求める株主提案を行った。
 イー・アクセスの真意は何なのか。千本倖生会長にその目的を聞いた。




 ■目的は株価向上

 ――3月に予定されているアッカの株主総会で、経営陣刷新を付議するよう求める株主提案をした理由は

 「現状の株価があまりにも安いからだ。それだけだ。株価が、例えば、30万円とかになればいい。アッカ株は、上場時の公募価格が45万円で、最高値が45万6000円。その後はずっと下がり基調。誰ももうけていない。最高値で売っても手数料を引いたら損が出る。経営陣はそれに対して恥ずかしいと思わなければならない。坂田前社長は、45万円を『通過点です』と堂々と言っていたが、それが今日は13万6000円だ」

 ――そもそも株主になった理由は

 「事業が同じなのでビジネスが分かるから。ADSLのホールセーラーとしては同じだから。2~3年前に株価を見て、割安だなと思った。株価安いじゃないと。安いから投資しておいてもそれはぼくらみたいにちゃんとやったら株価もどるでしょうからといって投資した。ところが、株価は下がるばかり。仕方がないので平均買いコストを下げるためにちょこちょこ安い時を見計らって買っていた。NTTコミュニケーションズの坂田前社長がやってきたんだが、ある意味でファンドのイグナイトが通牒を突きつけたんだと思う。要するに、この人でやっていたんではということで。イグナイトはファンドだから」

 ■行動しない経営陣

 ――イグナイトがNコムから買い取るという話もあった

 「そういううわさはあった。しかし、2000年に組んだファンドで8年持ち続けてあの株価では大変だ。米国のインベスターからみてとんでもないという話になっていただろう。現在はイグナイトが選んだ木村社長が就任したが、彼はワイマックスしかやらず、免許取得に失敗しても何も手を打たなかった。ぼくだったら必ず何かやっている。ダボハゼ的なことでも。しかし、じっとしているだけで静観している。また、M2Mといっても業績が出る形で何ら進んでいない。結局、株価はそのまま下がり、業績も奮わない。これからも期待薄だろう。しかし、われわれにとって今の株価は困る。結果的に筆頭株主になってしまったから。ある日突然わかった。僕らの決算は3月だから、何にもしないとうちの株主に対して言い訳できない。『なんだあんた、なんのアクションもとらないのか』とそういう話になる」

 ――株主総会がもたない

 「そう。うちらが木村社長に対して苦情をいうのと同じように、純投資ですとアッカに投資しておいて、僕らが3月末までに株価が戻ってくれるようなことをしなければ、今度の株主総会で、『あんた何してたんだ千本』といわれる。取得コストが20数万円なので12万何千円になると減損処理しなければならないから。僕らが困る。いろいろ憶測があって、M&AやるとかTOBやるとか言われているが。それは、いずれ後で起こるかもしれないけれど、現時点での目的は株価が30万円になってくれれば、ノーアクション。しかし、あと残された日数はいくらもない」

 ■議案提出期限

 ――昨日に申し入れたのは

 「8週間ルールというのがあって、それまでに出さないと議題に載らない。そのぎりぎりのタイミングだった。もっとあとで出してもよかったが、今月末まで待つと議題に載りませんということになった。昨日出したのはそういう制約があったからだ。ルールの問題。仮に10日前でよかったら待っていて、株価が戻っていたら何もしなかったかもしれない。繰り返すが、株価が上がっていればいいという点を分かってほしい。何も直前まで筆頭株主で、現在は2番目の株主のNTTコムに対して何らかの意図があってやったことではない。同じ株主、同じ船に乗っているわけなので、NTTコムも三井物産(3位の株主)も株価が上がってもらえればハッピーだろう。いま、とりうる手段でいろいろ考えた。株主総会に向けて、いま8週間前。何をしたら株価が一番上がるのかと。何で悪くなっているのかと考えたら結局、経営陣が悪いわけだ。同じようなビジネスモデルでやっていて、われわれのところは株価が上がっている。一時はアッカの方がうちよりも加入者数も、売り上げも多かったが、今は時価総額がアッカの5倍ある。しかも、アッカは大株主にNTTコムや三井物産のような一流企業がいる。それで株価があの水準というのは経営陣が悪いとしか思えない」

 ■断られ続けた提携

 ――ビジネスモデルも変わらない

 「そう。だから、やり方は手に取るようにわかる。何かほかの方法があるのならばそれやってもよかったんだけれど。しかも、かつて、何度も話しかけている。もう少し一緒になってアライアンス組めないのかと。過去数年間。しかし、すべて断られた。NTTコムに対しても一緒にやろうと呼びかけてきた。ADSL事業ではヤフーと争っていた。ホールセールでうちとアッカがやっていて、垂直統合モデルのヤフーがリードしていた。だから、一緒になって何かやろうよとアッカに呼びかけていたが彼らは何もやらなかった。全部拒否。それで株価がここまできてしまった。今回も何かアクションとれるかと考えたが、すでに5度も6度も断られた相手。それで、今回できることというのはマネジメントを変えるしかないでしょうと。しかし、マネジメントを変えるのが目的ではなくて、株価を上げるのが目的。その手段として今やっていることになった」

 ――成功確率は上がるのか

 「効率的にできる。マネジメントを変えるにしてもどっかから連れてきてというのでは効果に疑問があるので、ADSLのホールセールのビジネスを一番分かっているわれわれがやりましょうと考えた」
 ――ワイマックスの免許申請では一緒にやろうとしなかったのか
 「しなかった。孫さんが個人的に誘った形跡はあるが、僕はやる気はなかった。ドコモと一緒にやろうということだったから。話にもならなかったんじゃないかな」

 ■ワイマックス以外

 ――ワイマックスの免許を取れずにアッカの株価は下がったが、イー・アクセスは下がらなかった

 「アッカはワイマックスしか夢がなかったから。うちはモバイルを展開して、ワイマックスがだめだったときの手も打っている。そもそも、ちょっと外れるかもしれないが、ワイマックス取れなくて良かったねという株主からの声も聞いている。これから2000億円も3000億円も投資するのはやめてくれと。ワイマックスは米国で軒並み失敗しているから。12月にNYの大株主に会いに行ったときに、ワイマックスの話は聞きたくないといわれた。ワイマックスはうちとしては取れたら取れたで考えがあったが、取れなくても想定範囲内だった」

 ――今回はプロキシファイト(委任状争奪戦)になる可能性もある

 「プロキシファイトはあまりやりたくない。株価が上がればいいわけだから。しかし、そのためには、経営陣を入れ替えなければならないという結論になったのでそうなるかもしれない。アッカともNTTコムとは争いたくないが受けて立つ。しかし、NTTコムは敵としては思ってはいない。NTTコムとプロキシファイトをやることは本意ではない。現経営陣に対しては代われというが、大株主のNTTコムに対して『けしからん』というつもりは毛頭ない」

 ■異例の争奪戦に

 ――もしもNTTコムとプロキシファイトとなるとこれまであまり例がない形になる

 「経営と株主、派閥争いのプロキシファイトはあるが、株主同士が企業価値を上げることを目的として争う日本では珍しいケースになる。そういう意味では今回のプロキシファイトが日本の資本市場で起きたとしたら、グローバルなアプローチとして非常にいいインパクトを与えると思う」

 ――海外投資家が戻ってくる

 「ぼくは日本の市場をグローバルで透明なものとしたいから。日本では海外ファンドに企業が買収されそうになると、海外ファンドは必ず悪い奴だということになる。ぼくは今度、ロイターの役員になったが、みんなの話を聞くと、『日本はなんていう国なんだ』といわれている。『海外ファンドというだけで政府もマスコミも投資させないようにしているが、どういう国なんだ』と。だから、日本からファンドが逃げて、日本の株価は下がっている。もっと日本の市場は、純粋キャピタリズムに、世界の投資家が入りやすいようにしなければだめだと思う。そういう意味もあって、今回の行動に出た。企業価値を上げるために株主同士がプロキシファイトで争うようなことになれば海外投資家は戻ってくる。やりたくはないが、そうなれば意味はあるかなと」

 ■乗っ取りはない

 ――勝ち負けがでるが負けた場合は

 「負けたっていいじゃないですかうちの場合は。緊張感があってこんなことやっていたらえらいことになると思って株価上げるようなことをやってくれたらいいわけで。目的は株価上げることだから。乗っ取りたいと思っていたら失敗でしょうが」

 ――M&AとかTOBは考えてはいないとは言うが、結果的に経営権を取得するかもしれない

 「結果的にそうなるかもしれない」

 ――その暁には何をするのか

 「まだ決めていない。だけど、そういうことが万が一起きたとしたら、株主価値は必ず上げる。そうでないと意味がない。そこから後のことは想定外だ」

 ――昨日の発表では事業連携にも触れていたが

 「プロキシファイトになり、勝つことができたら。一緒になってシナジー効果を出せるようになったら。これまでは拒否されてきたわけだから。それが実現できるようなマネジメント体制にしたほうがいいんじゃないですかと。だから、そうなったら、そういうことになる。それを始めからいうのは目的が違う。最終的にTOBのようなことになるかもしれないが、あくまでも結果であってそれが目的ではない。株価向上のための方策を提案するのは株主としての権利。1%以上の株主は総会で議案を提出する権利があるわけだが、それを行使しただけ。それでぼくらが考えたのが今回の方法。もしも、ほかの人たちがもっといい手段でもって株価を上げてくれればこんなことはすることはない」

 ――NTTコムも株価が上がった方がいいに決まっている

 「世界に通用する純粋な資本の論理で動いていただければプロキシファイトなんかにならない。しかし、いろいろとしがらみもある。その意味ではカギはNTTコム。純粋に考えれば株価が上がればイグナイトもハッピーだし、三井物産も同じ。ぼくらとまったく同じのはずだが」

 ■日本に投資家を

 ――NTTコムと三井物産に打診はしたのか

 「打診はしてはいないが、こういうことをやると電話を入れた。同じボートの大株主だから。株価上げるためにこういう提案をしますよという連絡はした」

 ――日本市場から海外投資家が逃げているという話が出たが、会社は株主のモノという考え方をやめると金は逃げていく

 「逃げちゃいます。日本は官民が寄ってたかって、新聞テレビを含めて(外国企業を)排除する。トヨタを乗っ取るとか、TBSを乗っ取るというなら話は別だし、ホリエモンみたいに非合法なことで乗っ取るならダメだが、僕らは極めて合法的にやっている。常に弁護士とチェックして、正しいことをやっている。大株主がゴールドマンサックスなので、変なことをやるとうちが訴えられる。合法的で正しいことが日本の株式市場でも機能するんだということを示したら、日本の株式市場に投資が戻ってくると思う。僕らがもうけるということ以上に、メカニズムを透明なものにしたいと思う。しかし、一番望むのは、委任状争奪戦なんてやらずに株価が戻ること。これができれば一番いいが、委任状争奪戦になる可能性はゼロではない。その時は敢然と戦う」

 ■アッカへの警告

 ――今回の株主提案は、アッカへの警告の意味が強いのか

 「まったく警告だ。僕らが提案しているよりもっといいもの、すごいビジネスをやってくれるならいいが、今の経営陣に対してはほとんど望み薄だと思う。だから抜本的に改革するべきだ。メリルリンチやシティバンクを見てほしい。業績が悪くなったらCEOはクビだ。(アッカの経営陣は)こんなに株価が下がっているのに、どうしてのうのうと給料をもらっているのか。株価は公募価格の5分の1、6分の1になり、減収減益予想になれば、僕がCEOなら即座に辞める。僕より経営能力のある人は世の中には5万といるから。アッカ株を買い始めたのは2005年春で、そんなに急いでいないが、今回はあまりに株価が下がりすぎた。限度がある。もういい加減にしてくれと、堪忍袋の緒が切れた。筆頭株主でもあるし」

 ――筆頭株主になったことは意図していなかったのか

 「そうではない。初めは筆頭株主になったことも気が付かなかったくらいだ。NTTコムの比率が下がっていることをよく知らなかった。うちはアッカの株価が安い時に拾っていただけだから。しかし、これまでまったく相手にしてくれなかったアッカだが、筆頭株主になてからはガンガン連絡してくる。でも会っていない。大株主のNTTコムや三井物産となら話すが、信任しないから経営をやめろと言っている人とは話しても仕方ないでしょう。僕らはNTTコム、三井物産、イグナイトの非常勤取締役をやめろとは言っていない。NTTコムは同じ株主なのだから、同じ舟で一緒に残りましょうと。例えるなら、バーに共同出資したが、経営を任せているチーママや、シェーカーを振っているバーテンダーがダメだから代えてくれと言っている」

 ■結果的に統合も

  ――乗っ取りとかではなく、経営陣を送り込んで事業提携するなら、例えば前向きに経営統合することはあるのか

 「それは、その時になればあり得る。可能性はある。そうやった方が株主価値は上がると僕は思う。明らかに同じような事業をやっているのだから、シナジー効果がある。うちは利益がどんどん上がり、配当はどんどん増配している。ADSLは加入者が減っているが、事業環境はそんなに悪くないと思っているし、光、光と言っても都市部しかやっていないので、田舎ではデジタルデバイドが広がってしまう。ADSL事業は、もうそんなにダイナミックな事業はないが、特に田舎の人に対しては影響力がある」

 ――アッカ株を買い始めたときから事業提携に発展すればという考えがあったのか

 「それよりも投資だ。明らかに実際の価値よりも安かった。うちの会社は電機メーカーの株を買うよりもアッカの株の方が買いやすい。同じ業種だから。全世界で、うちの企業が一番アッカの潜在的価値をわかっている。こんなに安いのなら買おうよと。もし乗っ取りなどを考えるならブロックでまとめて買い増す。それを1%、2%と市場で買っているわけでしょ。全部マーケットから買っているのだからクリーンだ。うちがマーケットで買わなかったらもっと下がっている。アッカはもっと僕らに感謝しなければいけない。10数%まで買って支えているのだから」

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ワイマックス、次世代PHSの事業者決定

2007/12/21 22:49

 

■比較審査基準は?

 次世代高速無線の免許交付先が決まった。下馬評通り
KDDI陣営(インテル、キャピタル、JR東日本、京セラ、大和証券グループ本社、三菱東京UFJ)とウィルコムがプラチナシートを手にした。ウィルコムが2009年4月から、KDDI陣営は2009年2月28日からの事業開始予定で、外出先のパソコンや携帯端末でブロードバンドにアクセスできるサービスが始まる。

 

 先走った報道をきっかけに展開された〝場外乱闘〟が注目されたが、電波管理審議会が発表した採点表では、どの部分が勝り、どの部分で差がついたかが分かるようになっていた。

 比較は11項目でなされ、その〝モノサシ〟や採点についてはいろいろと疑問が出されているが、とりあえず決着がついた。

 
■KDDI8点、ウィルコム6点

 KDDIが8点、ウィルコムが6点、ソフトバンク-イー・アクセス連合が2点、アッカ・ドコモ連合が1点だった。

 

 下段の表で分かるように、点数の分かれ目となったのは①サービス開始時期や人口カバー率②基地局設置場所の確保③資金調達、収益性④技術開発⑤事業のオープン性⑥料金、標準化活動への参加-の6項目。残りの項目は同水準だった。

 

第1項目で重視されたのは、2012年度末の全国カバー率。KDDIが93%、ウィルコムが91%、ソフトバンク-イー・アクセス連合は78%、アッカ・ドコモ陣営は68%で、KDDIが「他社に比べて優位」ということでA評価(2点)、ウィルコムが「他社に比べて差を有する点が認められる」B+(1点)を獲得。ソフトバンク、イー・アクセス陣営は「他社と同等」のB(0点)、アッカ・ドコモ陣営は「他社に比べて差を有する」B-(-1点)だった。


■「他社と同等」評価だが、4社が異なる評価の不思議

 

 この点でちょっとおかしいなと思うのは、ソフトバンク-イー・アクセス連合のB評価。「他社と同等と認められる」という評価だが、同等の他社がいない。B評価は一社だけだ。これは第11項目の料金等のサービスでも同じで、?な評価との印象を受けた。

 

 議論に議論を重ねて出した結果なのだろうが、採点シートを裏返しにして、もう一度採点してみろといえば、一つくらいは違った結果になるのではないか、というのは邪推というものだろうか。

「他社に比べて優位」(A=2点)「他社に比べて差を有する」(B=1点)の差はどの程度なのか?

 数千億円の価値があるといわれる免許なので、この採点簿はちょっと稚拙な感じを受けてしまった。

 
■サービスは3000~4000円


 さて、気になるサービスは以下の通り。申請通りのサービスが実施されるのかどうかを見極めたいと思う。

 

 ウィルコム

 定額制で月額3000~4000円程度。

 現行サービスと同様、スマートフォンやPDA端末、小型通信モジュール(W-SIM)を提供し、BWAシステムによるモバイルブロードバンドサーヒスを提供してゆく計画。

 

 KDDI陣営

 月額平均3200円程度のサービス提供を予定。

 社会インフラとしてBWA網を整備し、出資者であるベンダーとの提携を通じて多様な端末を投入し、新市場を創造・開拓していく計画。

 

 なお、ソフトバンク-イー・アクセス連合は、定額制で月額2350円でMVNOにネットワークを再販し、4000円前後で提供。

 アッカ・ドコモ陣営は、定額制で3500円程度のサービス提供。放送、CATV、自動車、ゲーム、鉄道など事業者との提携を通じてBWAのプラットフォームを構築してゆく計画。

 

 アップルとiPhone導入交渉をやっていると報じられたドコモ、バンクが落選したことがちょっと気になる結果となった。(うがちすぎかな?)

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「ウィルコムは2GHzに移ればいい」  孫発言に喜久川社長が猛反発

2007/11/28 21:25

 

 

    BWA免許巡る場外乱闘激化

 

広帯域移動無線アクセスシステム(BWA)の免許決定まであと2週間を残すところとなったが、ソフトバンク孫正義社長が仕掛けた〝場外乱闘〟に対して、ウィルコムの喜久川政樹社長が「自社が免許を取りたいので、ウィルコムに席を譲れといっているわけで、まったく受け入れ難い」と反論した。

 

 
 総務省が申請を受け付けているのは、上記の図表で示した2.5GHz帯の〝免許A〟と〝免許B〟。これだけの周波数の割当は極めて珍しく、これを逃せば後がないといっても過言ではない。

ソフトバンク-イー・アクセス連合(39社)、KDDI連合(6社)、アッカ-NTTドコモ連合(16社)、ウィルコム(単独)の4陣営が2枠を争っており、遠慮のない他社批判が展開されている。

 

 
 すでに各社は、事業計画を提出しており、総務省が審査を始めている。

しかし、総務省が審査を始めるというその日に、「KDDI、ウィルコム〝当確〟」と朝日新聞が朝刊で報道し、日本経済新聞も夕刊で追いかけたことが発端となり、総務省の審査体制に対する疑惑の声が上がった。

 

    自分が大きな饅頭食べたいから人には小さな饅頭…

 

これを払拭しようと総務省は、関係者を集めて異例の公開討論会を開いたが、この席やその後のメディア各社とのインタビューで孫正義社長がウィルコムに対して行った発言内容に喜久川社長が反発した。

「自分達が大きな饅頭を食べたいので、あなたたちは小さな饅頭をといっているようなもので、妨害工作だ」とバッサリ。「周波数の割り当ては総務省の仕事でソフトバンクの仕事ではない。各社とも現在の周波数割当に同意して免許申請を行い、現在は2・5GHz帯の免許の割当審査を行っているのに、なぜ2GHz帯が出てくるのか。議論にもならない」などと逆襲した。

 

 以下の点でも大きく反発しているので、ご興味の向きは一問一答を参照していただきたい。

 

    ウィルコムは、アイピーモバイルの撤退で生じた周波数帯の跡地(2.0ギガヘルツ帯)の利用可能。2.5ギガヘルツはワイマックスの世界標準のバンドとされており、ワイマックス同士の競争状態に持っていくことがベターだ

    ウィルコムが1枠を占有してしまうと、他の陣営がどれだけワイマックス同士で競争してやろうとしても、日本はワイマックスが1社独占になってしまう

    ウィルコムは、事業展開も少し遅い。次世代PHSは、本当に基地局や端末ができあがっているのか

    他事業者に設備を貸し出すMVNO(仮想移動体通信事業者)中心主義に優位性がある

 

    定額データ通信+音声=月額4000円の衝撃

 

 数千億円の価値があるといわれる免許だけに各社とも気合の入り方に並々ならぬものがあるが、同席されたウィルコムの近義起副社長が「各社の本気度はどの程度のものなのか」という言葉が印象に残った。

 ウィルコムの次世代PHSの提供予定価格は月額4000円以下。これで定額のデータ通信に加え、音声通話をもカバーする予定だという。

 つまり、携帯電話の利用料が格段に安くなるということになるが、免許を申請している携帯各社も、ウィルコムと同水準の価格で、定額データ通信と音声通話サービスを提供するのだろうか。

 「われわれはそれでやっていける計画だが…」(近副社長)


 各社がデータカードのみのサービスにとどまればウィルコムの価格優位性は明らか。総務省はぜひ、このあたりも審査基準に加えて欲しいものだ。

 


 以下は、怒りの喜久川社長との一問一答。


Q.孫社長が、ウィルコムは2・0ギガヘルツ帯に移行しろと言っているが、喜久川社長の意見を伺いたい


 A.私も困っている。先週、「リングに上がらせろ」ということで公開討論会のリングに上がったが、今週になって場外乱闘が始まってびっくりした。討論会の場で2・0ギガヘルツの話は終わったと思っていたら、つい数日前に「ウィルコムは2ギガへ行くべきだ」という(孫氏の)ご主張を各新聞がかかれていたので、今週になってもコメントしているのかと。非常に心外であり、困惑している。「何を迷惑なことをおっしゃっているのだろう」と感じている。いまも、2・5ギガヘルツ帯で技術開発をやっている社員がたくさんいる。そういう社員に対して僕が何もコメントしないのも困るので、コメントしておかなければいけないと思った。

 
 まず、少なくとも技術的に、あるいは制度的に、われわれが2・0ギガヘルツ帯へ行くべきという根拠はまったくない。ここは明確にしておきたい。例えば、公益性が高い理由とか、技術的親和性が高いという理由があるなら話を聞いてもいいが、まったくない中で、孫さんがそんなことをおっしゃっているということは、自分が免許を取りたいから「ウィルコムさん向こうへ行ってよ」と言っているように聞こえる。非常に公平性に欠ける。あれだけ「フェアにしろ」とおっしゃっている方が言うこととしては非常におかしい。


 2・0ギガヘルツ帯はもともと3G(第三世代携帯電話)のTD方式で規定されている。それにどこが一番近いシステムかというと、ワイマックスの方が近いと思っている。(孫氏が)そういうことをおっしゃるんだったら、ワイマックスの方が向いているのではないかと(公開討論会で)申し上げた。


 百歩譲って、2.0ギガヘルツ帯へ移行する話をするにしても、次世代PHSだけの話ではない。ワイマックスを含めて、2・0ギガヘルツ帯、2・5ギガヘルツ帯、場合によっては(ソフトバンクが)返上した1・7ギガヘルツ帯も含めてどうするのだという議論でしょうね。


 われわれの会社の立場で申し上げると、2・0ギガヘルツ帯では(免許を取得する)権利がなかったですから、2・5ギガヘルツ帯でこの2年間くらいずっと開発をやらせているし、デバイスの手配なども2・5で考えていろんな所と話をしている。それを今さら2・0ギガヘルツ帯に行ってくれといわれても、開発の時間的ロスと投資のロスが大きく、競争上不利になる。競合相手から不利になる所へ行けと言われのは、妨害工作だとしか言いようがありません。


 2・0ギガヘルツ帯に次世代
PHSが適しているということはまったくない。電波の干渉問題は、ワイマックスも次世代PHSも同じですから。周波数帯域の幅は15メガヘルツしかなく不利なので、最低限、平等に議論してほしい。


 孫さんのところは、1・7ギガヘルツ帯で新規参入する免許を取得した。他にいいもの(旧ボーダフォン)を買ったから「フェアに返上しました」と言っているが、(結果的に)空き地になっている。それで、今回、2・5ギガヘルツ帯にまた新しい割り当てを欲しいといっている。


 最初にもらった饅頭をカビさせておいて、次の饅頭も捨てておいて、こんど新しい饅頭が2つある。それを食いたいが、ウィルコムという競争相手があるから、「2・0ギガヘルツというちょっと小さい饅頭を食っておいて」と言っているように聞こえる。


 審議会の議論は孫氏が主張するようにならないと思っているが、世論がそういうことを信じると困るので、コメントしなければいけないと思った。

 

Q.もともと2・0ギガヘルツ帯は次世代PHS用ではない。審議会総務省令を規定しなおすとどうなるのか


 A.日本は法治国家ですから、法令があり省令がある。省令改正には1年くらいかかる。周波数を移るにしても、うちに免許がくると明確にならないと2・0ギガの開発ができないので、事業展開が遅れてしまう。

 

 Q.総務省は、公開討論会の内容は免許審査に影響しないと言っている


 A.ただ、いわれのないことを言われているので、きちんと反論しなければならない。個人的には、討論会は楽しかったですよ。でもその後、(孫氏の主張による)場外乱闘が始まるとは思わなかった。

 

 Q.孫さんは、2・5ギガヘルツ帯がワイマックスの世界標準になっていると主張した

 
 A.ITR(国際電気通信規則)で、ワイマックスも次世代PHSも同じ世界標準規格になっている。次世代PHSは日本国政府が出した案で、BWA(広帯域移動無線アクセス)として使えることになっている。2.5ギガヘルツ帯の免許申請では、4つの方式が認められている。技術論は終わっていた。それに賛成した社が今回、免許を申請しているはずだ。

 

 Q.ウィルコムとKDDIは申請内容をオープンにしていないと言われた

 
 A.われわれは一番最初に申請を出した。それをオープンにすれば、みんなそれを参考にして自分に有利な計画を出すのだから、オープンにするわけがない。その点は総務省もすごく気をつかっていた。計画書を金庫に入れろと言ったくらいだ。


 われわれは最初に記者会見を開いて、内容はこういう理由で言えませんと断った上で、話せることは話した。その後もわれわれは隠していない。誰もその点を取材に来なかっただけだ。マスコミの質問が、株主の資本の問題などに集中していたので不思議に思っていたが、この前の討論会で(孫氏が資本問題を指摘したので)理由がわかった。とにかく弱みを探しているようで、それはそれで戦争のやり方としてはありかも知れないが、もっとレベルの高い議論をしたい。

 
 胸に手を当てて言えるのは、僕らは他社のことについてコメントしたことはなかった。自分たちはこういう実績があるので、それを伸ばして、こういうことをやりたいと言ってきた。これからMVNO(仮想移動体通信事業者)にインフラを開放しますという社(他陣営)と、5年間もオープンに開放してきた社(ウィルコム)の、どちらに信憑性があるのかと訴えた。

 
 別にMVNOの専門会社を作らなくても回線を開放できることは、僕らが実践してきた。それを次世代無線で拡大する。これからは高速データ通信でMVNOのサービスができ、マーケットがもっともっと拡大する。そのために通信機器の規格もオープンにする。会社の哲学がオープンであって、はじめて共存共栄できるわけです

 

 Q.ワイマックスと次世代PHS事業、どちらにどういうメリットがあるのか

 
 A.技術的要素として、明らかな違いがあります。例えば、次世代PHSは基地局を細かく張りめぐらせる「マイクロセル方式」、ワイマックスは基地局の目が粗い「マクロセル方式」。もし2枠がワイマックスだけになったら、両方とも同じですから技術競争がない。例えば、マクロセル方式で通信速度が落ちても、誰も改善しない。しかし、次世代PHSと競争になれば、たぶん改善してくる。それは通信産業にとってもいいことになる。ビジネスモデルだけの競争でなく、技術の部分まで競争があった方が健全になると思う

 

 Q.30メガヘルツで、どのくらいの利用者を収容できるのか

 
 A.通信容量は、セルサイズ(基地局の網の目)を小さくすればするほど莫大に増える。われわれとしては、通信量が多いデータ定額制で数百万人を収容しても大丈夫だ

 

 Q.孫さんは、次世代PHSは本当に世界展開できるのかと、悲観的に言っていた

 
 A.中国に160万基地局が設置されている。それを後継できるマイクロセルシステムはうちしかない。きちんと良さがわかれば、前向きになる可能性が高いと思う。タイでも、もうネットワークを持っているので、前よりも安い投資で高速に置き換えられるなら有効活用できる。だからわれわれは安い設備投資で高速化できる仕組みを一生懸命作っている。国際的に普及させようと思っているので。


 もっと言うならば、ワイマックスを使って日本の技術を世界に持って行けるのか。ワイマックスは日本の技術でも何でもない。日本の国際競争力と関係ない話で、国際的に調達できますと言っているだけ。日本に強みはない

 

 Q.今の基地局の何と何を変えれば、次世代になるのか


 A.(他陣営は)基地局設置場所を確保することにものすごく苦労している。われわれはすでにそれを確保している。また、無線の仕組みは、単に無線機を置けばいいだけでなく、有線通信のバックボーンが必要。それも設置されているし、今年度から現世代のために光ファイバーに置き換えていく。次世代通信が始まる時には、場所もあるし光ファイバーも敷かれている。


 まず、最初に、データ通信の利用が多い地域の基地局に、次世代PHSの新しい基地局を併設していく。これが第
1段階。その次に、古い基地局を替える時に、現世代の機能と次世代の機能を一体化したデュアル基地局を置いていく。どうせ年間数百億円かけてやらなければいけないことだが、設備更改の中で、非常に広いエリアで次世代のネットワークが構築できるプランになっている。これをゼロからやろうとすると、大変だ。われわれは年間1万局から、ピークで4万局設置した実績がある。

 

Q.投資額は


 A.トータルで、2015年末までに大体2000億円。大体全国の90%をカバーする時期が2012~13年なので、そこでの総投資額で出した。年間なら数百億円。KDDIさんは1440億円と言っていたが、あれは2013年度までだ。そこで切れば、うちも一緒。われわれもコストが安いことには自信があり、(KDDIに)まったく遜色ない。事業の展開スピードはうちが一番早いと思っている。
 
 マーケットニーズが早く花開けば、前倒しすることも検討している。今回の申請計画は、絶対に事業化できる計画を作っている。人に頼み込んで金を持ってこなくても、自分の資金で十分にできる。十分に調達能力がある。われわれは3000~5000億円くらい銀行から借りられるので、需要があって収入が見込めれば前倒しもできる。

 

 Q.ソフトバンク陣営は39社も出資している

 
 A.数は関係ない。なぜなら、僕らは資本を入れなくても、MVNO的なことは全部やってきた。例えばどこかの会社から、専用にこんな基地局を設置してほしい、お金は出すから…と言われれば別ですが、そうでなければ、単独でも、何社が集まっても同じだ。オープンにするということは、どこかに有利、不利と色をつけてはいけないのだから

 

 Q.孫氏は、筆頭株主のカーライルがウィルコムから手を引くかも知れないと指摘した

 
 A.カーライルさんに取材されればいい。カーライルも次世代PHS事業をサポートすると、ウィルコムの取締役会で決議されている。取締役会の過半はカーライルなのだから。何を難癖つけているのだと、カーライルさんも怒っている

 

 Q.京セラが、KDDIとウィルコムの両方の大株主なので、両社に免許を与えることは問題とも指摘された

 
 A.これもまったくの言いがかり。支配権を持っているなら別ですが、30%しか持っていない。特別決議に反対することしかできず、電波を私物化するような権利はそこにはない。

 

 Q.ワイマックスよりも技術開発が遅れていると指摘された

 
 A.モバイルワイマックスを完璧にやっている国もない。今からですよ。過去を調べればわかるが、外国の技術を買ってくるだけでも結構時間がかかっている。


 われわれは次世代PHSの技術開発がちゃんと進んでいると思っているし、さらに強化する。問題はまったくない。ゼロからやるわけではなくて、PHSの開発は12年間ずっと続けてきた。その実績があるから、これくらいで開発ができますと言える。移動データ通信の市場を立ち上げたのはわれわれですから。足を引っ張りたいなら引っ張って下さい。われわれには実績がある。他人のものを買ってくるから大丈夫、という理屈ではない。

 
 場外乱闘がなければ、こんなことをしゃべるつもりはなかった。ただ、世の中に事実が正しく伝わらず、「ウィルコムは2・0ギガヘルツへ行け」というのが当たり前のように語られるのはまずい。論理的に根拠がある話ではなく、いくら何でもおかしいでしょう。小さいまんじゅうを用意されて、「俺がこっちの(大きい)饅頭を取るんだ」というのは、競争相手を押し込めようとしている風にしか見えない。

 

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「孫正義社長 WiMAX免許取得に意欲」の一問一答

2007/11/26 23:18

 

■ 数千億円の価値を持つ免許

 

 次世代高速無線通信の免許取得争いが最終局面を迎えている。正式名称は広帯域移動無線アクセスシステム(BWA)と呼ばれているもので、今回はWiMAXと次世代PHSの2つの通信方式が、2つの免許枠を巡って争っている。

 

最も優位な事業者には、利用制限がない30メガヘルツ分の周波数帯が付与され、次に優位な事業者には2014年12月31日まで10メガヘルツ分の運用制限がある30メガヘルツ分が与えられる。それぞれ、数千億円の価値があるといわれる免許は12月中には決定するが、争いはなかなか熾烈だ。

 

■ 無線LANと第3世代携帯の利点を併せ持つ

 

 BWAは、移動しながら動画をスムーズ受信できる性能を持つ。移動中の通信範囲は3kmで15Mbps。止まっていれば75Mbpsという光ファイバー並みの通信速度が出せるとされている。

 これまでのモバイルの代表は無線LANで最大通信速度は54Mbpsとかなり速い。しかし、基本的にはマクドナルドや空港、駅などの限られた範囲でしか利用できなかった。

 

 移動中のデータ通信の代表は第3世代携帯電話だが、FOMAが384kbpsと遅く、WINが3.1Mbps、来春から7.2Mbpsという最速のHSDPAサービスが始まるが速度は一桁違う。

 

 BWAは、無線LANと第三世代携帯電話の利点を合わせたもので、最初はパソコンにデータ通信カードを差し込んで使い、将来的には携帯電話やPDA、カーナビに組み込むことも検討されている。

 

    2枠を4陣営が争う構図

 

 総務省では2・5ギガヘルツ帯に30メガヘルツずつ2枠をBWA用に開放して、参入希望者を募集した。しかし、新規参入を増やすために、第3世代携帯電話事業者の単独申請は認めないと決めたため、ソフトバンク-イー・アクセス連合(39社)、KDDI連合(6社)、アッカ-NTTドコモ連合(16社)、ウィルコム(単独)の4陣営が2枠を争う構図となっている。

 

 下馬評では、2003年から検討を開始し、インテルが音頭を取るWiMAXフォーラムにも参加して標準化活動を熱心に行い、幹部自らが「絶対にうちが取る」と宣言していたKDDIが〝当確〟と見られていた。

 また、国産技術であるPHSも〝当確〟といわれていた。

 

    審査前の〝当確〟報道で混乱が

 

 これまでの免許審査であれば、総務省が〝一方的〟に決めてきたが、今回は異例の公開討論会が開かれた。これは、審査が始まるというその日に、朝日新聞が朝刊で、KDDIとウィルコムが当確と報じ、日本経済新聞も夕刊で後追い記事を掲載したためだ。

 

 ソフトバンク孫正義社長が「リングに上がる前に試合結果が出たようなもの」と反発。総務省が、大臣会見でも「まだ決まっていない」、次官会見でも「まだ決まっていない」と必至の沈静化に動いた結果で、関係者200人が押しかけて、互いに批判しあうなかなか激しい討論会となった。

 

    アイピーモバイル破綻分の電波を…

 

 この間、破綻したアイピーモバイルが確保していた2ギガヘルツ帯をウィルコムに割り当てて、残る2枠はワイマックスというような話も飛び出したが、これは春先までにアイピーモバイルが免許を返上していれば可能となったこと。

 

 総務省が電波割り当てを行う場合、どのような技術をどのような用途に使うのかが事細かに定められており、2ギガヘルツ帯には現在、PHSという技術は含まれていない。対象技術の変更も可能だが、審議会などを経る必要があり、事はそう簡単ではない。

 

    どの陣営も合格ラインの事業計画

 

 総務省によれば、2枠を争う4社の事業計画は「どの陣営も合格ラインをクリアしており90点以上の争い」という予想外のできで、誰もが納得するような理由をつけて2社を落とさなければならない状況となっている。

 

 

 いずれも優等生ぞろいの4社の事業計画。まさに重箱の隅を突っつくようなあら探しをすることになるやもしれない。

 

    KDDI優位の理由は

 

 現在のところ総務省では、KDDIが小型基地局を開発したことで、当面の投資額が1440億円と他陣営よりも大幅に少ない点を優位と見ている。

 

 また、人口カバー率90%達成の時期が2012年度末と早いことも好感を持って受け止めているようだ。さらに、事前準備の長さにも優位性を認めており、総じていえばKDDIが優勢であることは間違いないようだ。

 

 一方、アッカ-ドコモ連合については、カバー率70%以降は様子を見てという慎重姿勢がマイナス点として見られている様子で、設備投資がKDDIの1.4倍の2000億円であることもまいなす材料となっているようだ。

 

 ソフトバンク-イー・アクセス連合は、人口カバー率90%達成時期が2014年度末と遅く、投資額が2500億円と大きいことなどがマイナス点だが、総務省が推進するMVNO(他事業者の回線設備などを借りてサービス展開する事業者)を基本としていることが評価されているのではないかという見方もある。

 インフラを作って、全員がそれを借りる形で使う。ソフトバンクもイー・アクセスも他社と同じ条件で借りるという事業モデルだ。

 

    ソフトバンクの言い分

 

 本日朝、ソフトバンク孫正義社長とソフトバンクモバイルの松本徹三執行役副社長がインタビューに応じてくれた。以下はその一問一答。MSN産経にも掲載しているが、このブログでは、これまでの経緯を上記に示しておく。

 

 総務省取材チームは、残る3陣営の言い分も聞くべく、インタビューを申し込んでいる。対応してくれた社の言い分も掲載したいと思う。

 

これから半月。各社の論戦がさまざまなメディアで展開されると思うが、全員を納得させる落選理由を見いだす総務省担当課の苦労は並大抵のものではないと推察する。

 

    有利な点はMVNO中心主義

 

 Q.免許の枠は2つ。ソフトバンク、イー・アクセスを中心とする陣営が有利な点は

 A.2つある。1つは、ビジネスモデルがMVNO(仮想移動体通信事業者)中心主義であるということ。われわれも一生懸命にやるが、他の新規参入者の方たちにもフェアな形でできる、オープンな形だ。

もう一つは、今回は携帯のブロードバンド化というよりも、パソコンを中心とした様々な情報機器のブロードバンド化ということになるので、IPネットワークのバックボーンをどれだけ持っているかがカギになる。単に無線の基地局の数ではなく、基地局と基地局を結ぶ地上の光回線が重要。完全IP化された通信網で全国をカバーしているのは、免許を申請した4陣営ではわれわれだけの強みだと思っている。

 逆に言うと、われわれが劣っている点は、討論会で各社が公開した内容では何一つない。競合他社に「自ら勝っているところはありますか」と聞いたら、答えられなかった。唯一、KDDIさんが、20MHzの枠でも全国展開でできますと答えた。そういうことなら、30MHzの方ではなく20MHzの方の枠に立候補してくださいと言いたい。

 それ以外は、自ら指摘できる有利な点は何もないということだった。あれだけしつこく全員の前で聞いて、各社ともそういう返事だった。

 

 Q.MVNOに特化したビジネスモデルという点を、もう少し具体的に説明してほしい

 A.例えば、日本通信が、NTTドコモが新規参入に対してチャンスを提供しないからけしからんと総務省に裁定を申請した話があるように、今までは携帯電話事業者がいやいやながらMVNOを受けるか受けないかというような話だった。しかし、われわれは、免許を取った後からMVNOをどう扱うかではなくて、免許を取る最初の段階から、MVNOに開かれた形でいきましょうと言っている。

今回の免許審査には、第三世代携帯電話の会社が次世代無線の事業会社の株式を3分の1以上持ってはいけないという大原則のルールがある。それは、新規参入の会社にいろんなチャンスを与えられるようにとの趣旨だ。次世代無線の事業会社に株主としても参加できるし、MVNOとしても積極的に参加できるようになる。

そういう趣旨を真っ正面から受け止めた。実際に電波を使う時の利用形態も、大株主のソフトバンクやイー・アクセスも回線の卸売りを受ける立場。MVNOと同じ立場だ。同一条件の場合には同一価格ということを明確にしていきたいと思う。

われわれが免許審査に通って、他社が落ちた時には、他社はMVNOとしてわれわれと同じ立場で事業ができる。われわれと同一条件で入れるわけだから、彼らが困ることは何もない。しかし他社が免許審査に通ってわれわれが落ちた時には、インフラを貸し出す〝大家〟と、借りる〝店子〟の関係が非常に不明快だ。回線の卸売りをフェアに受けられる担保がないので困る。

われわれが審査に通った場合には、国民の共有資産である電波が多くの人に有効に使われることになろうかと思うが、もし他社が通ってわれわれが落ちれば、有効活用されないリスクが残る。

 

Q.インフラを構築するだけで自らはサービスを提供しない〝0種事業者〟の方式が望ましいということですね

 A.そういうことです

 

    各社の弱点はこれこれこれ…

 

 Q.総務省は、各陣営の事業計画はいずれも90点以上と評価し、比較審査は簡単でないと言っている

 A.重箱の隅っこを突っつくと、細かい違いはいくらでもある。でも、MVNO重視は根幹に関わるところだと思う。骨太のところですね。事業エリアの展開計画が少し早いとかいうのは、ペーパーテストの書きぶり次第に過ぎない。

事業計画の予算が少し少ないから消費者にメリットがある、という見方もおかしな話だ。インフラの場合、しっかりと費用をかけて構築していくのが非常に大切。

例えば携帯電話の場合、我々はたった1年ちょっとで、インフラ強化のために6000億円以上を費やしている。3Gの電波をより届かせるようにするために、われわれはKDDIと比べて1兆円規模でよけいに金がかかっている。しかし、消費者へのサービスは、われわれの方が安い値段で提供していると思う。インフラに余計に金がかかるから、自動的に消費者へのサービスが高くなるということではない。

逆に言うと、KDDIの3Gは、電波を届かせるのにより有利な800メガヘルツの電波を使っているから、基地局の設備投資は安く済んでいる。だからと言って、その分の費用がお客さんに適切に還元されているのか、という問題だと思う。今回のペーパーテストの書きぶりで、KDDIは予算が1400億円と小さいからインフラカンパニーにより適しているというのは、なんかちょっと飛躍した論理だと思う。

各社が事業計画で示した90%を超えるカバー率というのも、屋外のカバー率のこと。もっと大切なことは屋内のカバー率だ。また、生活時間帯の何%の時間にワイマックスの信号を受けられるかということが大切だと思う。市役所や区役所の屋外で電波を受けられたら、その自治体の人口はカバーできたとみなされるのが現在の評価。それは、本当はあまり意味のない数字だ。その定義でいくと携帯電話の3社とも99・7%とか100%というカバー率にすでになっている。

もっと大切なのは、屋内も含めて生活時間帯にカバーできているかどうか。われわれは携帯電話事業で800メガヘルツという有利な周波数帯を持っていなかったので、屋内に届かせるためにイヤというほど苦労してやっている。そういう意味では、今回も、アンテナの指向性を電気的に変えるビームフォーミングなどの技術を使って、できるだけ屋内に浸透できるようにと、最初から相当知恵を絞ってやろうとしている。その分、コストもよけいにかかるので、1400億円対2500億円になっている。KDDIさんはペーパーテストでは上手に書いても、前回、3Gの電波割り当てで獲得した2.0ギガヘルツ帯の電波を有効に活用していない点で前科一犯だ。

大事なのはペーパーテストと実地テストの両方だと思う。われわれはペーパーテストでももちろん90点を超えるレベルだが、それ以上に実地という意味で、少なくともソフトバンクの経営になってからは、約束している上のペースで一生懸命に設備投資しながら、より幅広く、より深く電波が届くようにやっている。旧ボーダフォンを買収する前に1.7ギガヘルツでいったん免許を得たわけですけれども、これは新規参入組のための免許だという定義だったので、ボーダフォンジャパンを買収してから速やかに免許を返上している。誠意ある態度をとってきている。

これは運転免許で言えば、免許を取ったあとでも品行方正にルールを守りながらやっているということ。そういう点を考慮すべきだろう。

もう一つ言うと、アッカ陣営は、全国のカバー率70%までコミットされているが、それ以上は様子を見てから考えましょうということになっている。90%以上は採算性、必要性を考慮しながら検討と書いてある。70%でやめちゃうかもしれないということだ。

ウィルコムについては、今回、2枠のうち1枠を占有してしまうと、他の陣営がどれだけワイマックス同士で競争してやろうとしても、日本はワイマックスが1社独占になってしまう。役所の差配で、最初から1社独占構造の事業運営になるというのは、あまり健全なことではないと思う。

ウィルコムの場合、アイピーモバイルの撤退で生じた周波数帯の跡地(2.0ギガヘルツ帯)を利用可能だけれども、少なくともわれわれ、ワイマックスの場合、そこでやると電波が干渉してしまうので利用できない。2.5ギガヘルツはワイマックスの世界標準のバンドとされている。そういうところでワイマックス同士の競争状態に持っていくことがベターだと思う。最初からワイマックスは1社独占というのはどうかと思う。

ウィルコムは、事業展開も少し遅い。次世代PHSは、本当に基地局や端末ができあがっているのか? ワイマックス規格では世界中のメーカーが競い合い、基地局も端末も無線チップも作っていっている。これからも開発が加速度的に進んでいくと思う。

しかし、次世代PHSは、まだ市場もないところに、一体何社のメーカーが競い合ってネットワーク機器や端末を作っていって、一体ユーザーが何人いたら開発が採算に合うのか?

メーカーも大変だろうと思う。まだ海外では1社も作っていない。皆さんが機器メーカーだったら、将来使うかもしれないという状態で作りたいと思いますか?

 開発費は何百億円もかかるんですよ。次世代PHSで事業展開するとコミットしている会社は事実上、ウィルコム以外にどこもない。早く展開したいというお気持ちはわかるが、機器が十分に整ってからでも決して遅すぎない。焦ると高くついてしまう。

逆に言うと、他の国のいろんな会社が次世代PHSを作りたいと出そろった段階でやる方が、投資効率はよくなると思う。こういうものは、焦って世界の技術標準よりも早めにやってしまうと、コスト的に危険だ。

 

    グループ統合も歓迎

 

Q.公開討論会では、(孫社長から)場合によってはアッカ陣営と一緒になってもいいという趣旨の発言があった

A.われわれは公の場でああいう風に明言したように、いかようでもフレキシブルに対応する。そもそもわれわれのビジネスモデルの構造は、大株主のソフトバンク、イー・アクセスも0種通信事業者となる新事業会社から回線の卸売りを受ける立場。アッカもドコモも同じ条件になる。

であれば、われわれの陣営とアッカ、ドコモ陣営で新会社同士が合併してもいいし、しなくてもいい。われわれはまったくフェアに扱うということだ。

KDDIの場合、MVNOについてはオープンなチャンスを提供することを「検討している」という風にしか読み取れない。そういうことであれば、どうもKDDI中心主義のように読める。われわれは堂々とフェアにやっていきたい。MVNO中心主義ですから、アッカと結びつきやすいという風に思う。

でも、われわれは相手がKDDIさんでも構わない。残り2枠に対して(ワイマックスの)3陣営ともにフェアに参入できると方がいいのではないかということだ。例えば、道路網を道路公団が作りました。その時に、トヨタと日産の車だけが走っていいというのではなく、トヨタも日産もホンダも参入のチャンスを与えたらどうかと。道路を等しく使える形にした方がいいのではないかというのが我々の思想なんですね。

ましてや、最初から「片方はオートバイ用に提供します」「自動車は、日本では1社だけやっていい」となると、その1社のみが今後、日本で自動車を作ってよろしいとなると、事業者はあぐらをかきますよね。

 

Q.光ファイバーの接続議論の時に、孫社長はベースとなる基幹通信網をみんなで作った方がいいと主張したが、これをワイマックスで具現化したいということか

A.そういうことだ。0種のインフラをみんなで共有して使いましょうと。

 

    密室審査は時代遅れ

 

Q.今回の次世代高速無線の審査は、総務省にとっても、当選と落選が出る初めての比較審査という

A.最初、それが密室で行われようとしていて、各陣営の事業計画内容が等しく公開されていなかった。

われわれは自発的に事業内容を公開したが、KDDI陣営とウィルコム陣営は秘密のままと。国民の共有資産である電波を割り当てるのに、国民には一切知らされないのは、構造としておかしい。どの会社が電波を何にどのように使おうとしているかを国民に知らせず、結果説明だけ行うのは、やはり密室の裁定だと言わざるを得ない。今のご時世、密室でやるのは何事もよろしくない。政治の世界でも密室談義はどんどんと正常化されようとしている。行政の世界においても、できるだけ開かれた形で行っていくことがこれからの在り方として望ましいのではないか。

そういう意味で、総務省が今回、公開討論会という形で一歩前に出たのは、ある意味で他の省よりも透明性が進みつつあるということで、われわれは評価している。

単なるプライベート企業なら、自分の技術を見せる必要はないかも知れないが、今回は公の電波の割り当てを受ける審査なのだから、よほどのことがない限り、内容をちゃんと公開するべきだ。ビューティーコンテストで、一般客から候補者の姿形が一切見えず、審査員だけに見えるというのはどうか。あるいはボクシングに例えると、審査員だけが試合の実況を見ていて、国民は一切試合が見られなくて、結果の判定だけ伝えられるというのでは試合にならない。審査員も国民も同時にみていれば、厳正な審査をしなければならないという審査員へのチェック&バランスが効くと思う

 

    同じインフラでも競争は起きる

 

Q.0次通信事業者になると、使えるインフラは同じ。サービス競争や料金競争に限界が出て、結局は全員共倒れになる恐れがないか

A.道路網が等しく作られると、自動車メーカーや宅急便会社が共倒れになるだろうか? そんなことはないと思う。宅急便の会社はいろんなメーカーの自動車、トラックを使える。道路も同じく使えるわけで、それでも宅急便の会社はサービスを競争しあっているし、自動車メーカーも競争している。そういう意味で、次世代無線も十分なサービス競争が行われると思う

 

    免許の価値は数千億円

 

Q.次世代無線の事業が始まると、大きなお金が動く。この周波数帯にはどれくらいの価値があるのか

A.やはり数千億円の価値があるのではないか。

携帯電話では、KDDIとドコモは800メガヘルツ帯の電波を持っているが、われわれは持っていないので、1兆円規模の設備投資をよけいにしないと電波が届かない。その結果、KDDIの基地局は1万数千局で済んでいるが、われわれは4万7000局。3倍もかかっている。KDDIは有利な電波を使った結果、設備投資が1兆円規模で安く済んだ。電波の価値はそれくらいある

 

Q.その電波の配分が公平ではないと言うのか

A.公平でなくなってはいけない。少なくとも、国民に対して審査のプロセスが明らかにならないと。密室で行われると何が起きるかわからない。

ましてや今回のように、まだリングに上がる前に『KDDIが当確』と大きな見出しで新聞に出てしまうとは。ボクシングの試合で審査がフェアだったかなかったか、国民を巻き込んだ議論になったが、今回の報道のように、われわれがリングに上がる前にすでに勝敗が決まっているような形で、さもそれが規定事実だったように決まっていくことになると、あまりにもアンフェアと言わざるを得ない。

試合が終わってから勝った、負けたと批評されるならまだしも、試合の前に勝敗が決まっているのは、決してあってはならないと思いう。

 

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光ファイバは月額617円になるのか?

2007/11/16 21:19

 

 情報通信審議会電気通信事業部会接続委員会が16日、始まった。まず、この委員会の名前を見ただけで、大抵の人は引く。さらに、議論の中で出てくるNGN、1分岐、光信号主端末回線などの単語でもさらに引く。

しかし、中味は消費者に直結する内容だ。一方の主張が通れば、光ファイバ利用料が大幅に安くなる可能性がある。現在の一般家庭用のサービスは月額5000円程度だが、ソフトバンクは「617円で提供可能」と前回の主張よりもさらに価格を引き下げた。

 

■「ばらにして安く貸せ」ということ

 

 この委員会の議題は、①NTTが来年3月のサービス提供に向けて準備を進めている「次世代ネットワーク(NGN)」を他の通信事業者に貸し出す義務を持つ指定電気通信設備にするかどうか②「まとめ貸し」となっているNTTの光ファイバの貸し出し方式を「ばら貸し」とし、共同で使うかどうか-の2点だ。しかし、16日の議論はほぼ②に集中した。

 

 委員会の出席者は、NTT東日本、西日本、KDDIソフトバンク、イー・アクセス、ケイ・オプティコム、USENの各トップという豪華メンバー。また、テレコムサービス協会、日本インターネットプロバイダー協会なども出席し、侃々諤々の議論が展開された。

 

 議論は難しくなりがちなので、思い切りブレイクダウンしておくと、「現状の価格と稼働率では採算が取れないので、貸出価格を8分の1にして、設備をみんなで使おう」という新電電側と、「みんなで使えば同じサービスしかできない。さらに、不稼働分もこちらもちでは設備投資が回収できない」というNTTの争いだ。

 どちらの言い分も一理あるが、恐らく、どちらも折れることはない。

 

■8分岐を巡る双方の主張

 

 まず、なぜ8分の1なのか。


 
NTTFTTHは、光信号伝送装置(OLT)から光信号分離装置(局内スプリッタ)で4分岐され、さらにそれが光信号主端末回線(加入者光ファイバ局外スプリッタ)で8分岐される。

 要するに、一本の光ファイバを最大32ユーザーで使えるようにしている。


 今回の争点は、4分岐された後の、「まとめ貸し」となっている8分岐できる光ファイバを、1分岐単位での「ばら貸し」にしろという要求に、
NTTが応じられるかどうかという点。そして、共同で使えるかどうかという点だ。

 

 現在の加入者数では、8分岐のうち利用されているのは平均で2分岐程度。地域によっては1分岐というところもある。こうした中でNTTのシェアは70%超。非効率は否めず、他の事業者が採算割れは致し方がない。


 このため、
KDDIソフトバンク、イー・アクセスなどは、「8分岐分を借りるのでは採算が取れないので、使う分だけ貸して欲しい」と主張している。そのうえで、8分岐のうち4分岐をNTT、2分岐をKDDIソフトバンクとイー・アクセスが1分岐ずつ共同で使うことを提案している。

 

 これに対してNTTは、「共同で使えば一社だけが40Mbpsでその他は30Mbpsというスピード差を出すようなことは難しく、同じようなサービスが並ぶだけで競争が起きない」と主張。また、〝ばら貸し〟についても、8分岐分を5020円で貸し出してはいるが、実際は1万円程度の料金でなければ設備投資が回収できない。このうえ、使われていない分もNTTが負担しなければならないのであれば、今後の投資や保守は難しいと主張している。

 

■「617円」の根拠

 

 結局は、自社の採算を主張している企業同士の戦いとみると、消費者にとってはどうでもいい話となるが、月5000円のサービスが600円になるというのであればそうではなくなる。

 

 では、現在、月額5000円程度の光ファイバは、孫社長が主張した「617円」になるのだろうか。これにはNTTは強く反発している。

 孫正義社長が「617円」と主張した根拠は下図のようになる。

 

 

 装置や配線などの物理的インフラ部分が相当額安くなっているのは、大量調達による調達コストの圧縮(▲30%)、保全費用削減(▲30%)、機器の耐用年数を延ばし、その上で8分の1を掛けた結果だ。

例えば、光ファイバの減価償却期間をNTTは10年としているが、ソフトバンクは30年としている。OLTNTTは6年とし、ソフトバンクは30年と開きがある。その他の機器の消却期間もNTTよりも長期化した結果、617円という価格がはじき出された。


 双方の主張があろうが、ハードの耐用年数などでは議論がありそうだ。この点は是非、適正価格を詰めて欲しい。

 

 結論が出るのは来年1月だ。

 

■PR下手なNTT

 

 明日のメディアがどういうトーンで取り上げるのかは分からないが、会議後のPRではソフトバンク、イー・アクセスに軍配が上がったように感じる。NTTはもっと上手にPRすべきだ、と思う。

 

 審議会は公開だったので、各社の記者はそれぞれの意見を聞いているが、審議会が終わったあと、ソフトバンク孫正義社長とイー・アクセスの千本倖生会長は囲み取材に応じた。以下はそのやり取りだが、これを聞いた後、NTT側の取材をしなければ、どのような記事となるのかは想像に難くない。

 

――NTTと折り合える可能性はあるか

孫社長 もし、NTTが今のまま独占をしたいというなら、分離しかない。光部門の会社を分離、東西のサービス部門も分離する。今のように全部まとめてがんじがらめで、その上であれが嫌だ、これが嫌だというのではだめだ。

 

――光回線の開放についてNTTが、「他社は一緒にやればいい」と言っているが

孫社長 NTTは、道路公団のようなもの。100年間にわたり(電話網を)独占をしてきた。そして今、自分の分は独占的に利用したいといっている。これは例えるなら、道路を所有する会社が宅急便のサービスを開始し、他の宅急便会社には「自分で道路を作れば」と言っているようなもので無茶な議論だ。道路を持っていない会社がそれをやろうとすれば100年かかる。サービス競争は、道路が共有化されてできる。自分だけが有利になるようなサービス事業を行えば、競争にならない。

 

千本会長 NTTが砂利道(銅線)を舗装(光回線)にしたことは大変なことだが、基本的なボトルネック性が解消されないのであれば分離・分割しかないだろう。

 

孫社長 道路という物理層はオープンにしなくてはいけない。独占は消費者にとり高くつく。金額においても、我々は617円でできるといっている。これに対し「いや、われわれはいくらだ」といってくれるなら、具体的な数字の議論になりうる。現状では、1加入者が地方で入ろうとすると8000円程度かかるという。

ADSLは、1局舎がカバーするのは数千~数万世帯で、そのうち1世帯だけでもサービスを提供できる。でも光は、30世帯向けのサービスだ。さらに、NTTは8回線を束売りしようという。絶対に採算があうわけがない。ADSLは1回線でもできたから、採算がとれた。現状では光は、我のような大手でもほとんど不可能な事業なのだから、中小ではとても無理だ。

 

――共同ではNTTはサービス競争にならないといっているが

孫社長 そんなことはない。宅急便だって競争をしている。フェアなルールの下ならば、いくらでもサービス競争できる。「一緒に道路を使うから、サービス競争できない」というのは、詭弁中の詭弁だ。

 

――やはり分離しかないと思うか

孫社長 NTTは光で70~80%のシェアを持っている。また、今のブロードバンド回線の加入者はほとんどが光だ。独占以外はいやだというなら分離するべきだ。

 

千本会長 NTTの構造分離は政治決着で2010年まで先送りするということになっている。ただその代わり、フェアに(通信網を)解放するという前提になっていたはずだ。

 

――NTTの光回線加入者目標が3000万から2000万に引き下げられたが

孫社長 競争が促進されていないからだ。3000万という数字は、本来われわれのシェアもカウントするべきだ。それなら、こちらも地域格差などがなくなるように努力する。現状でも採算が合わない過疎地域なども、各社のサービスを足せば採算があうようになるかもしれない。ADSLは競争をしたから普及した。

 

 どちらの主張が正しいと思いますか?

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日経金融新聞が〝衣替え〟

2007/11/15 19:45

 

 日刊紙だった日経金融新聞とニューズレターの日経公社債情報が1月末をもって休刊となり、週刊の日系ヴェリタスが3月16日に創刊する。金融バブル期には銀行や証券、保険会社などがまとまって購読していたこともあって公称9万部を超える発行部数があった専門紙だが、最近は同4万部強まで部数が落ち込んだためのてこ入れ策。週刊誌などでは〝廃刊〟の噂が絶えなかった。新聞低迷の中で日経が取ったのは、20年の歴史を持つ媒体を大胆に作り替えるという方策。その行動力、決断は実を結ぶのだろうか。

 

■横組みタブロイド

 

 新媒体の体裁は横組みタブロイド版。紙代が大幅に節約できることもあり、欧米でもタブロイド版は一種の流行となっている。縦組みのタブロイドは夕刊フジがあるが、横組みのタブロイドはSankei Expressと同じだ。

 

 しかし、週刊紙とあってボリュームは72Pと分厚い。ニュースを載せる編集紙面が34P、株価欄などの金融統計情報が20P、広告が18Pという内容。カラー面は最大で48Pということだった。

 

 株式、投信、不動産情報などの幅広い金融情報を盛り込むが、個別銘柄を推奨するような内容ではないといい、購読者層は個人を含む市場関係者。同社では月刊誌の日経Moneyを出版しているが、個人向け投資情報誌とは区別する意向だという。

深く掘り下げた読み物、海外情報、独自の調査分析などを売り物にするといい、専属記者30人弱を配置するという贅沢な布陣だ。

 

■9万部で成功か?

 

価格は1部500円で、半年26週間が1万3000円、一年52週間が10%割引の2万3400円、2年契約では20%割引の4万1600円。販売目標10万部ということなので、目標達成ならば約23億円の売上高となる。

 

現在の金融新聞が公称通り4万部(月額5036円)、日経公社債情報が2000部(年額15万7500円)だとすると、2紙の売上高は27億円強。日経金融の実売部数はもっと少ないと予想されることから、8万部弱で現在ととんとんといったところで、9万部いけば成功というものではないか、と想像する。

 

■紙とネットの連携は意味があることか

 

もうひとつ注目点は紙とネットの深い連動で、注目したい点がいくつかある。

 

 第一は、産経でやっているニュースビューと同じような技術を導入し、紙面をそのままPC上で閲覧することができる。配信は日曜日の午前6時。遠隔地は紙が来る前に読めるそうだ。

 PCがあればどこでも読めるわけで、日曜日に配達された紙媒体は家に置いておき、会社ではPCで読むことができる。日経金融を自宅で取る人は少なかったと思うが、自宅も囲い込めるのではなかろうか。

 

 第二は、サイトは読者のみが読むことができるようIDを配布する点だ。ニュースコンテンツの無料化が浸透するなかで、有料化に向けた一定の挑戦となる。

 

 第三は、ニュースや市場情報を更新する点。週刊紙ということでそれを補うための試みで、紙媒体とネット媒体の両方を活用してひとつの媒体となる。

 ネット媒体の担当者の中には、紙とネットの連動は意味がないという意見もあるが、私は可能性があると思っている。ニューズウィークなども面白い試みを始めており、こちらもあわせて成否を注目したい。

 

【日経金融新聞】

 1987年10月創刊で朝刊のみ。ピーク時は9万部を超えたが、現在は4万部強。2005年7-12月の平均は4万6300部。月額購読料は5036円で、一部220円。「収支はすばらしいものではない」(日経)

 

【公社債情報】

 1977年4月創刊のニューズレター。発行部数は2000部弱。年間15万7500円。「大きくはないが黒字が出ている」(日経)

 

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